園長ブログ

森のものがたり~今日のこども園~

2024.06.17 変わった

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先週金曜日、大豆の香りがしていた5歳児が仕込んだ味噌が、たった二日間でほんのり味噌の香りを漂わせていました。味噌作りの日、子どもたちに「納豆を食べてこない」ということを約束していたので、皆が約束を守ってくれていれば、今後発酵が進んで行くと、更に味噌らしい香りが漂ってくることでしょう。ところで、なぜ味噌作りの日に納豆を食べてこないようにお願いしたかといえば、納豆菌は100度のお湯で熱湯消毒しても、石鹸で洗っても殺菌することができないため、味噌の原料の麹に影響を与え、納豆の香りがする味噌ができてしまうのです。もちろん食べることはできますし、土間があるような昔の家で作られた味噌は、それぞれの家庭の味があり納豆の香りがするものもあったと聞きます。子どもたちが修了式の時に持ち帰ることになる味噌は樽のような容器のため熟成具合を見ることができないため、味噌屋さんが変化を比較しながら見ることができるように透明な容器に子どもたちが仕込んだ味噌とチョッパーという機械ですり潰した給食用の味噌を準備してくれています。子どもたちが仕込んだ原型をとどめている大豆がどのように変化していくか楽しみです。ちなみに、今回仕込んだ味噌は、原料は仙台味噌と同じですが、子どもたちが食べるのであれば、甘めの味噌にとのご提案で大豆と麹の割合が仙台味噌より麹を多く使っているため、“仙台味噌”とは名乗れないため、“こども園手作り味噌”と名付けられることとなりそうです。

さて、隣接する森の木々の葉が黄緑色から緑色に変わって来ましたが、その中のくるみの木に沢山の実が実り始めています。この実がしっかり育てば森に住むリスなどはお腹を空かすことなく済むことでしょう。反対に未満児玄関前の木に巣作りをしていたと思われる鳥の巣らしきものが今朝、地面に落ちていました。道具を使わずして作っていたのですから、初めからやり直しとなれば大変なことでしょう。なんとか無事に再建できますように。

再建といえば、本日、県内外の保育所実習に行っている学生たちの巡回指導に出かけてきました。東日本大震災後、東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故で甚大な被害を受けた地域の支援と復興のために数年間実態調査をしてきた地域に数年ぶりに出かけて来ましたが、2箇所の巡回を終えた後、地域の避難指示解除後も再開されず廃園になってしまい解体の方針が進んでいた幼稚園と教会を震災伝承拠点として残すことに方針転換したこともあり、子どもたちの声は響かないものの、園庭の草が刈られ当時止まったままだった時計も正確な時間を知らせていました。また、当時、人影がなく殆どの店がシャッターを下ろしたままでしたが、スーパーやお菓子屋さんなどののぼりがはためき、交通量も増えていたことを感じました。とはいえ、未だにあちこちに空間線量率(値)を知らせるモニタリングポストがあることが、原発事故、放射線被害が続いていることを知らせていることを感じました。