園長ブログ

森のものがたり~今日のこども園~

2024.11.21 人畜無害

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「ねえ、園長先生、ここのベンチ借りていい?」溢れんばかりの布が入ったカゴを抱えた5歳児ひかり組の女の子たち数人と三輪車に乗ったHちゃんが エントランスのところにいた僕に尋ねてきました。いったい何に使うのだろうと思い「何に使うの?」と 聞いてみると「ベッド作るの」との返事が返ってきました。誰が考えたのか面白いなあと感心しながら「じゃあ、使った後、片付けに来てね」とお願いし、三輪車の後ろに落ちないように載せてあげました。すると嬉しそうに「ありがとう」と返事を残し、すごい勢いでペダルを漕いで南園庭の斜面を上っていきました。ほどなくして、女の子に指示されたのか、今度は三輪車に乗った男の子たちが「ベンチ借りにきました」とやって来たので「どうする、一つにする、二つ運べる?」と尋ねると思っていた通り「二つ」との返事が返って来ます。そこでで、Hちゃんと同じように「気をつけて運んでね」とお願いしベンチを載せてあげたのですが中々の重さと傾斜に漕いで上るのに四苦八苦。結局は三輪車から降りて必死にハンドルを引っ張っていました。その間、ベンチが届くのを待っていた女の子たちは木と木の間に縄跳びを張り、そこに布をぶら下げるなど役割分担しながら部屋作り(模様替え)をして遊んでいました。それにしても、寒くなってきたこの季節になぜ外でベッド作り(お家ごっこ)が始まったのか、その発想に感心させられました。

一方、2・3号での入園を検討されている方々をお迎えしての説明会を行ったのですが、前日から準備しておいた広場の確認をしに行ったとき、保育室や廊下で遊んでいた3歳児にじ組の子どもたちが「わ〜っ、園長先生だ〜!」と反応してくれたので、それに応えて「なあに〜!」と言いながら追いかけるなどしたのですが、入園したばかりの頃には僕を見ると緊張して固まったり泣いてしまっていた子どもたちもが笑顔で応えてくれるようになりました。そんな僕との関わりではなく、先生たちとの関わりで子どもたちも先生たちも笑顔で過ごしていた様子をご覧になってくださった見学にいらしてくださったお母様が「環境も素敵ですが、先生たちも子どもたちも楽しそうしている様子を見ることができてとてもよかったです」とおっしゃってくださったことがとても嬉しく、先生たちがこども園の宝であることを再認識・再確認させてもらいました。そして、見学会が終わった頃、隣接する森にカモシカがお食事に来ていたようで、のんびりと草を食んでいました。また、驚くことに、午前中来ていた個体とは違うと思われるカモシカが午後、同じ場所で食事をしているのを見つけたもも組のN先生が職員室に知らせに来てくれました。その情報があちこちのクラスに伝わり、北園庭はカモシカを見るための子どもたちで大賑わいになりました。畑の野菜を食べることはありましたが、人を襲うようなこともなく、森でのんびりと草を食むカモシカは人畜無害!?僕もそうありたい。そんなことを思わされました。

PS:先日4歳児そら組の子どもたちがおにぎり作りをした様子が大学のHP(https://news.mgu.ac.jp/support/news/3233.html)で紹介されています。興味のある方はぜひご覧ください。

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