園長ブログ

森のものがたり~今日のこども園~

2026.02.18 森は僕たちの友だち

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今年も南三陸町で銀鮭やワカメの養殖をなさっておられるSさんに食育活動(わかめの日)のために朝取りのわかめをご持参いただきました。今年は凪が続き作業はとても楽である一方、穏やかすぎて海が荒れないため、植物の成長に必要な『肥料の三要素(窒素・リン・カリウム)』が混ざらない影響もあり、例年よりわかめの色づきが良くないとのことでした。しかし、給食の準備が進められ、だしのいい香りが充満する広場に吊り下げられた普段中々見ることができないわかめを見上げてびっくりした様子の子どもたちは、わかめに触れたり、匂いを嗅いでみたり、虫眼鏡で観察したり、管理栄養士のY先生に火を通した瞬間に色が変わるところを見せてもらったりと貴重な体験をさせてもらいました。

0・1・2歳児はわかめへの興味だけでなく、それ以上に物が大きく見える不思議な虫眼鏡が気に入ったようで、登園時に大泣きしていた2歳児りんご組のK君やNちゃんもわかめだけでなく自分の手(指)を覗いてみたり、めがねのように顔に当てて大喜びしたり・・・。そんな子どもたちの無邪気な様子を見たからなのでしょうか、管理栄養士のY先生が小さい頃、虫眼鏡を使って紙を焦がす(燃やす)遊びをしたて叱られたこと、その際、兄のせいにしたことを思い出話しとして話してくれました。当然のことながら僕も虫眼鏡で紙を炙ったり(燃やしたり)アリの巣(アリ)を炙ってアリ大慌てで逃げ惑う様子を見て遊んだことを思い出します。 絵本は基本的に子どもたちのためのものですが、専門的な内容で大人(管理栄養士のY先生)でも十分楽しめる絵本「わかめ」生産者であるSさんも感心していました。  「触れる」「嗅ぐ」という感覚・実体験を通して子どもたちは様々なことを学んでいることがわかります。 余程、感触が気に入ったのでしょう。Mちゃんはしゃがみ込んで夢中でわかめを触っていました。  Uちゃんはお友だちの顔が大きく見えることが不思議で大喜びですが、見られているKちゃんもUちゃんの目が大きくなって見えることが可笑しくてニヤニヤしていました。わかめや小さな生き物を観察しているというより、虫眼鏡の不思議さを確認(観察)していた様子の子どもたち!これこそが学びであり、ここで気づいたことが知恵、知識として蓄積されていくことでしょう。  「森は海の恋人」の合言葉で海を豊かにするために植樹を続け、牡蠣養殖に取り組み81歳で亡くなった畠山重篤さんは、「海のことを考える時には森まで視野に入れ、また森のことを考える時には海まで視野に入れる。こうした自然の繋がりを意識できる人が増えれば、地域は豊かになることでしょう。」と語りました。

森のこども園の森に流れる小川も最終的に海へ辿り着きます。「森は海の恋人」である一方、森のこども園の子どもたちにとっては「森は僕たちの友だち」と言ったところでしょう。そんな森と小川と海を守ため、森のあちこちに落ちている石を4歳児そら組の子どもたち、K先生、H先生に拾い集めてもらい、森の整備と並行して護岸工事を始めました。できることなら、立ち枯れした木や乾燥した倒木を使い子どもたちが濡れたり汚れたりすることなく渡ることができる「ダビンチの橋」を作ってあげたいと思っています。問題は残された時間が限られていることです。