はじめに
■2024年度聖句
「人にしてもらいたいと思うことは何でも、
あなたがたも人にしなさい。」
マタイによる福音書 7章12 節
■目的と組織運営
宮城学院は、その建学の精神を継承し、またその実現をはかるために、学院全体のキリスト教活動の中心になるものとして、キリスト教センターを設置しています。キリスト教センターは学院長が統括し、その運営については、中高、大学および事務局からそれぞれ選出された委員による運営委員会(委員長は学院長)において審議し、運営に当たっています。キリスト教センターの主事は宮城学院宗教総主事が兼ねています。センターの事務室は礼拝堂の中にあり、総主事がそこで学生・生徒・教職員等の個人的相談に乗ることもしています。
全学院礼拝
2024年7月10日全学院教職員礼拝 説教「2度あることは…」中高宗教主事 大久保 直樹
2024年6月19日全学院教職員礼拝 説教「こうすることこそ」大学宗教センター長 栗原 健
2024年5月22日全学院教職員礼拝 説教「光の子として歩みなさい」学長 長谷部 弘
2024年4月24日全学院教職員礼拝 説教「負の連鎖を治める」学院長・宗教総主事 佐々木 哲夫
2024年3月11日東日本大震災追悼記念礼拝 説教「石の板と心の板」 東北学院大学文学部 / 日本基督教団仙台松陵教会協力牧師 藤野 雄大牧師
2024年2月14日全学院教職員礼拝 説教「主よ、祈りを教えてください」 大学一般教育部 松本 周
2024年1月4日新年礼拝 説教「Glory to God」 学院長・宗教総主事 佐々木 哲夫
2023年12月19日公開クリスマス礼拝 説教「クリスマスの夜」 中高宗教主事 大久保 直樹
2023年11月22日全学院教職員礼拝 説教「このセリフをどう言うか」 大学宗教センター長 栗原 健
2023年10月18日全学院教職員礼拝 説教「幻を見る共同体として」 大学教育学部 清水 禎文
活動内容
キリスト教センターは、大学や中高の行う宗教活動に支援・協力するとともに、次のような宗教活動をしています。
礼拝について
キリスト教の礼拝とは、天地の創造主・唯一の神の前に出て、イエス・キリストにある神の恵みをほめたたえて、神を拝むことです。それは、具体的には、神の招きを受けて礼拝する者たちが集まり、一緒に聖書を読み、みことばにもとづく福音の説教を聞き、祈りをささげ、賛美をすることです。この礼拝において、自分の人間としての生き方を問い直し、人生の究極の価値観を神に求め、その答えをイエス・キリストにおいて見出すことができます。礼拝は通常、招詞、賛美、聖書朗読、説教(お話)、祈りおよび頌栄などにより構成されています。
■招詞
礼拝への神の招きです。これにより私たちは神が礼拝に私たちを招いてくださることを確認します。
■賛美
神の恵みを喜び感謝して神を賛美することで、全員で賛美歌を歌います。
■聖書朗読
その日の説教(お話)の予定する聖書の箇所の朗読です。
■説教
聖書の語る神の御言葉を説き明かし、キリストの福音を伝えることです。
■祈り
神との対話であり、交わりです。神に呼びかけ、感謝し、ざんげし、隣人のためにとりなしをし、お願いをします。祈る場合、最も大事なことは、神は祈りを聞こうとして待っておられるということです。心を静めて、祈りを聞こうとしておられる神に祈りましょう。祈りは「イエス・キリストの御名によって」ささげます。イエス・キリストによって神との関係が回復され、神に祈りをささげることができるようにされているからです。なお、「キリストの御名によって」とはキリストのとりなしによってという意味です。最後に、祈りをする司会者や説教者に合わせて、「アーメン」と唱和します。「アーメン」とはヘブライ語の「真実に」「まことに」という言葉で、「本当にそのとおりです」という意味です。
■献金
宮城学院では、クリスマス礼拝など特別の礼拝の場合に献金をいたします。献金は神の恵みに対する感謝としてささげるもので、宮城学院ではそれを社会福祉施設などに送ってこの感謝をあらわすことにしています。
教会暦の構成
■降誕日(クリスマス)礼拝
救い主イエスの降誕(誕生)をお祝いする礼拝です。教会では、クリスマス礼拝は12月25日の直前の日曜日に行われます。24日にはクリスマス・イブ礼拝も行われます。クリスマスを迎える準備期間としてアドベント(待降節)があります。アドベントはクリスマスの4つ前の日曜日からクリスマス・イブまでの約4週間です。この期間にはクリスマス・ツリーやアドベント・クランツなどを飾ります。アドベント・クランツには4本のローソクが立てられていて、日曜日毎に火をともすローソクを増やしていきます。アドベントは、救い主イエスが私たちの罪を赦すためにこの世に来られたことに感謝し、罪を悔い改めて、祈りのうちにクリスマスを待ち望む時です。教会暦の一年はアドベント第一日曜日から始まります。本学院では、アドベントにはアドベント・クランツのローソクに火をともして礼拝をします。また、校舎のいたるところにクリスマス・ツリーが飾られ、礼拝堂のタワーやキャンパス内のもみの木にはイルミネーションが飾られます。クリスマス礼拝では、クリスマスのメッセージを聞き、キャンドル・サービスをし、ページェント(聖誕劇)やハレルヤ・コーラスなどの賛美を神にささげて、救い主の降誕をお祝いします。また、助けを求めている国内国外の人々とクリスマスの喜びを共に分かち合うために、献金をささげます。
■復活日(イースター)礼拝
イエスが十字架で死んで墓に葬られ、3日目に死に打ち勝って復活されたことを記念し、お祝いする礼拝です。教会では、イースター礼拝は「春分の日のあとに初めて訪れる満月の次の日曜日」に行われます。イースター前の(6回目の日曜日を除く)40日間をレント(受難節)といい、その最後の1週間を受難週といいますが、この期間はイエスの十字架の苦しみはわたしたちの罪の赦しのためであったことを覚えて罪を悔い改めながら過ごします。イースターは年によって日が替わりますが、本学院では4月中旬にイースター礼拝が行われます。
■聖霊降臨日(ペンテコステ)礼拝
イエスの復活から50日目に、弟子たちに約束されていた聖霊(神の霊)が降り、弟子たちは力を与えられて、イエスが救い主・キリスト(メシア)であることを大胆に宣べ伝え始めました。それを聞いて信じる者が多く現れ、教会が誕生しました。これを記念し、お祝いする礼拝です。教会ではペンテコステ礼拝はイースターから7週目に行われ、クリスマス、イースターと並ぶキリスト教の三大祝日です。本学院では5~6月にペンテコステ礼拝を行います。
礼拝堂の説明
■礼拝堂の意義
宮城学院は、礼拝を重視してその教育を進めていますので、礼拝堂(別にチャペルとも呼びます)は宮城学院内で最も重要な建物です。大学の礼拝は通常この礼拝堂で行われていますが、中学・高校は通常は中高講堂で礼拝をし、特別の礼拝の場合にチャペルを使用します。こども園も中高と同じです。チャペルは、中学・高校の校舎と大学校舎との間に、十字架を天空に高く掲げて建っています。宮城学院の校舎がこのチャペルを中心として配置されているということは、宮城学院がキリスト教学校であり、その教育が礼拝を中心に展開されていることの現れです。チャペルのタワー(高さ26メートル)の上にある十字架は、わたしたちがキリストの十字架の恵みを受けていることを日々教え示しています。また、ここにキリスト教学校である宮城学院があることを遠く広く知らせています。このタワーにあるカリヨンは宮城学院同窓会が寄附したもので、賛美歌をきれいに奏でます。
■礼拝堂の構造
礼拝堂は講壇、聖歌隊席、フロア(会衆席)及び二階ギャラリーから成り、会衆の座席すべての方向が講壇上の説教卓及び聖餐台に集中するいわゆる集中形式の礼拝堂になっています。聖歌隊席及び二階のギャラリーも含めると約600人収容できます。講壇には中央に聖餐台があり、それに説教卓が並んでおり、これらの上に高く十字架がかけられています。
またその背面にパイプ・オルガンが設置されています。説教卓には「聖書のみ」の原理に立つプロテスタントの学校ですので、聖書(講壇用聖書と言う)が置かれています。また小さなものですが、説教卓の前の柵の正面についてるPとXを組み合わせたような形象に気がつくでしょう。これは、ギリシア語のXPIΣTOΣ(クリストス)の最初の2文字を組み合わせたもので、キリストを表すシンボルです。
■ステンドグラス
礼拝堂の右壁面にあります3枚のステンド・グラスは、左から「キリストの誕生」、「十字架のキリスト」、「キリストの復活・昇天」を描いています。フランスのガブリエル・ロワール氏が宮城学院からテーマ等の提示を受けてデザインし製作したものです。「キリスト誕生」の上部に描かれた鳩は聖霊を意味し、聖霊による誕生を表しています。右下にある2匹の魚はイエス・キリストのシンボルです。中央に幼子イエスと母マリア、父ヨセフ、その上に東方から来た3人の学者たちとその左上に学者たちを導いた星、左下には旧キャンパスの大講堂と噴水(現在、チャペルの隣に移設)とが描かれており、その右に宮城学院の学生・生徒たちがいます。真ん中のステンド・グラスは「十字架のキリスト」です。その画面一杯に描かれた十字架上のイエス・キリストは頭に茨の冠をかぶせられ、釘打たれたその両手からは血が滴り落ちて、キリストの左手の血は聖餐を表す杯に受けられ右手の血の下には宮城学院の校章が描かれています。右上から左下にかけて幅広い深紅の流れは、3枚の絵の中で最も強烈な印象を与えるもので、人類の罪の救いのために流されたイエス・キリストの血をそしてキリストの十字架に溢れる神の愛を強く覚えさせます。画面の下には、一緒に処刑された犯罪人の二つの十字架が描かれ、その間に人間の罪を象徴する蛇がおり、大人と子供が立っていて、主キリストは人間の罪のために十字架にかかられたことを示しています。十字架を見上げる2人に比して十字架が巨大なのは十字架の恵みの絶大さを受けとめてほしいとの作者の願いでしょう。右側のステンド・グラスは、復活して昇天するキリストです。左下に教会の象徴である七つの燭台、そして仰ぎ拝んでいる男女2人。これ以外には特にありません。復活し昇天したキリストの栄光が満ち満ちているからです。