葉78号


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八重山事前企画
 十月二五日に行われた八重山公演の事前企画として、六月一七日に琉球大学・八重山芸能研究会顧問の山里純一先生に「八重山芸能の魅力‐琉球大学八重山芸能研究会四〇年の歩みから‐」と銘打って講演していただきました。
 八重山芸能研究会は、一九六七年に「八重山民謡同好会」として設立し、一九七二年、現在の名称に変更。「本場の芸能を積極的に取材していくことを活動の基本とする。」また、「部員の枠を出身を問わずに他大学の学生および看護学校生まで広げる。」といったように、現地での学びを大事にし、門戸の広い研究会です。
芸能の取材では様々なところに足を運び合宿という形で、現地の方からの直接指導で芸能を継承しています。講演会では山里先生から様々な踊りや取材についてのお話していただきました。現地での取材の大切さや、踊りの起源、どのような島で伝承され、どのような意味があったかなどを丁寧に説明していただきました。講演の合間合間にはビデオを見せさてただきました。
ビデオ鑑賞演目
一、民俗「地ピシ」
二、舞踊「ながなん節」
五、民俗舞踊「来夏節」
六、古典舞踊「さーさー節」
七、民俗舞踊「口説ばやし」
八、民俗儀礼「世乞い」
九、古典舞踊「鳩間千鳥節」
十、「浜遊び」
八重山の芸能を見たことがない人が多く、参加者は真剣に見入っていました。また、琉球大学八重山研究会のOGの方も駆けつけ、私たち学生にとって、より身近なお話をしていただきました。
当日は日本文学科や人間文化学科など様々な学科の学生や先生方が参加され、また土曜ということもあり、学外からもたくさんの方が講演を聞きに来てくださいました。宮城ではなかなか触れることのできない八重山芸能の魅力を少しでも聴き逃さないよう皆さん熱心に講演を聞いておられました。
 また、二〇〇五年一〇月二九日に行われた公開授業では山里先生と八重山研究会の方々による「八重山芸能に学ぶー講演と実演―」をしていただきました。第一部はワークショップと題して、実際に三線や太鼓奏法を参加者が琉球大の学生に教わり実践をしてみましたが、なかなかうまくはいかず、芸能の奥深さを実感させられました。実際に太鼓を体験した学生は「沖縄独特のリズムをなかなかつかめず、うまくたたけませんでした。」と感想を述べていました。第二部では実際に芸能を見せていただきました。
今年度の「八重山の芸能」でも踊っていただいた赤馬節や山崎のアブジャーマ、弥勒節どといったものをはじめ、赤また節や小浜節、黒島口説といった、独唱や舞踊を見せていただきました。
昨年度の公開授業をみて、今年度の八重山の芸能見に来た方も多いのではないでしょうか。山里先生、琉球大学の皆さん楽しい時間をありがとうございました。    (山)

歌舞伎報告
 七月七日、宮城県民会館にて松竹歌舞伎仙台公演が行われました。文化史の受講生をはじめ多くの日文生が鑑賞しました。今回は松本幸四郎による「勧進帳(かんじんちょう)」をメインとした公演で、市川染五郎との親子共演も見所のひとつでした。ここでは報告と演目の紹介をしていきます。
まず始めに、「ご挨拶」として松本幸四郎が素顔のままで挨拶を行いました。決して大柄ではないのですが、存在感とオーラのある幸四郎の登場に会場がどよめきました。
次の演目は「歌舞伎(かぶき)噺(ばなし)」です。歌舞伎の成り立ちや歌舞伎を特徴付ける様々な要素を、実演を交えながら紹介するものでした。歌舞伎の始まりは十七世紀の初め、京都の四条(しじょう)河原(がわら)で出雲(いずもの)阿国(おくに)が始めた「歌舞伎踊り」とされています。阿国が当時踊っていた踊りなども見ることができ、歌舞伎の歴史を学ぶ事ができました。観客を舞台に上げて、立ち廻りや台詞を体験させる粋な演出もありました。
そして「勧進帳」です。「勧進帳」は能の「安宅(あたか)」をもとにしており、歌舞伎十八番のひとつでもあります。
 ―源義経(市川高麗蔵(こまぞう))は兄頼朝と不和になり、わずかな家来を連れて奥州へと向かう。一方安宅の関の関守富樫(とがしの)左(さ)衛門(えもん)(染五郎)は義経を捕らえようと関を固めている。義経一行は安宅の関にさしかかり、東大寺勧進の山伏であると名乗る。通行を拒む富樫に武蔵坊弁慶(幸四郎)は存在しない勧進帳を読み上げる。―勧進帳を読む場面は弁慶と富樫の駆け引きに息を飲む緊張感と迫力を感じました。最後の延年の舞も見ている者を圧倒させるすばらしいものでした。
 今回は、テレビなどでもよく見る幸四郎親子の共演であり、歌舞伎が一層身近に感じられたと思います。来年は是非皆で見に行きましょう。(岩)
身体表現研究T・総合実習T
ミュージカル
 九月十一日から二十日日にかけて、一年生は身体表現研究T、二年生は総合実習Tとして合同の連続講義がありました。SCSミュージカル研究所の梶賀千鶴子先生に教えていただきました。アシスタントは深澤昌夫先生でした。
講義はおもに、ストレッチや早口言葉を使った発声練習などを行った後、台本をもとに振り付けなどの作成・練習といった形で進んでいきました。ミュージカルの演目は宮澤賢治の『双子の星』より梶賀先生が脚色した『ふたごの星』で、双子星のチュンセ童子とポウセ童子という心優しい二人の童子を主人公としたお話です。内容は大きく二つに分けられ、前半を二年生が、後半を一年生が担当しました。受講した学生のほとんどがミュージカル初体験ということで講義中の発声練習などでは、はじめは少し戸惑いがちに声を出していましたが、二日目、三日目と日がたつにつれて皆大きな声で堂々と楽しく講義を受けていました。最終日には、SCSミュージカル研究所の方々に音響などのお手伝いをしていただいて、自分達のこれまでの成果を発表しました。また、十一月二日のお昼休みに発表会の録画映像の上映会も行われ、演じている自分達の姿を見ることが出来ました。
約一週間という短い期間でしたが、一年生にとっても二年生にとっても、一緒になって楽しめた心に残る一週間になりました。
(根)
電子逍遥
 今回紹介させていただくサイトは、誰でも一度は聞いたことがある「青空文庫」です。青空文庫とは、利用者に無料で文学作品を提供する電子図書館です。主に著作権の切れた作品を公開しています。無料ということで、大した数は置いていないのではないか、と思いがちですが、芥川龍之介や、夏目漱石といった著名な作家はもちろんのこと、普段の生活では読まないような作家まで広く公開されています。大学の図書館などで本が手に入らなかった場合、青空文庫で作品を探してみるのも良いかもしれません。
このサイトには二つの特徴があります。まず一つ目は、作品を作家別や作品別に探せることはもちろんのこと、作品の分野別で検索することが出来るため、自分が読みたい作品に簡単に出会うことが出来ます。また、分野別に検索することで、特定の作家に限ることなく、幅広い作品に触れることが出来ます。
二つ目は、他の電子文庫とは違い、本と同様に縦書きで読むことが可能だということです。読者の読みやすい形態で読むことが出来るのは青空文庫ならではの機能ではないでしょうか。
 青空文庫は文章を公開したり、旧仮名遣いを現代仮名遣いに直したり、読みやすくされています。それは全てボランティアの方々の協力によって成り立っています。携帯サイトでも読む事が出来るので、是非一度訪れてみてください。
http://www.aozora.gr.jp/ (福)


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