葉85号3面


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日本語教育って何?

 皆さんは日本語教育というものをご存知ですか?
日本語教育とは日本語を母語としない人々、主に外国人に日本語を教えることです。
日本文学科には「四つの学びの柱 」がありますが、この一つが日本語教育です。昨年度には初めて、日本語教育課程を修了した学生が卒業しました。
まだ本学科では新しい専門分野である日本語教育について、その実態を紹介します。

日本語学習者は、世界中で一三三ヶ国、約二九八万人といわれています(二〇〇六年国際交流基金調べ)。全体の学習者の六割が韓国・中国などの東アジア地域を占め、ついで東南アジア、ヨーロッパ諸国、その他にも中東・アフリカなどの国があげられます。
前回の調査から二〇〇六年の三年間に、学習者は約二六%、日本語教師は約三三%、機関は約一一%増加しています。日本語教育は様々な国で行われているのです。

また、近年は日本語教育ブームとも呼ばれ、多くのメディアで注目されています。  
学習者が日本語を学ぶ理由は様 々です。日本での生活を送りたい、日本の会社に就職したい、漫画やアニメなどのサブカルチャーを学びたいなどが例としてあげられます。

学習者のニーズを調査するところから授業は始まり、学習者の学習できる時間などを考慮しながら、カリキュラムを作成していきます。
ビジネスを目的とする学習者に通常の日常会話だけを教えても、学習の方向性や語彙から考えると、適切な学習とは言えません。この場合の学習者は日本語とともに、専門的なビジネス語も学ぶ必要があります。しっかりとした基本的な日本語を身につけることによって、目標を達成するのです。  

日本語は世界の中でもひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字など多くの文字を使う珍しい言語と言われ、学ぶのが難しいと言われています。それと同時に、学習者の出身国によっても学習方法が異なってきます。
例えば、ヨーロッパ圏の学習者は普段の生活に漢字になじみがありません。そのため、ヨーロッパ圏の学習者たちには、漢字の概念や構造を説明するところからはじまります。
それに対して、韓国・中国などの東アジア地域では漢字の知識があるため、漢字の概念から学習する必要はありません。このように日本語教員は、学習者の出身国によって教え方を工夫する必要があるのです。
その他にも、日本と学習者の出身国の文法や発音の違いの特徴をつかんでおくと、効果的に教えることが出来ます。  

仙台市では、市内に住んでいる外国人や留学生を交流・支援をするボランティア活動が盛んに行われています。日本文学科にも、今年は五人の留学生の方々がいらしています。
皆さんもボランティア活動や留学生の方々との交流を通して、日本語教育を学んでみてはいかがでしょうか。広いと思っていた世界が身近に感じられるはずです。         (佳)

 

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