十一月一九日、日本語教育演習を受講している学生による、日本語学校訪間が行われました。
日本語教育とは、主に日本語を母語としない人へ、第二言語としての日本語を教える学問です。
その講義の一環として、仙台ランゲージスクール日本語科を訪問しました。
ランゲージスクールには、アメリカ、中国、ネパールなど、様々な国の語学留学生が通っています。
彼らはおよそ一年間で日本語を学び、大学や専門学校への進学、日本企業への就職など、各々の目標を叶えようとしています。
今回は、彼らの授業風景を見学するとともに、日本語を母語とする者として”教える“立場で授業に参加しました。
初級、中級、上級とあるクラスの中で、まず私たちは上級クラスヘと向かいました。
そこで出された課題は、「留学生とマンツーマンで会話をする」というものでした。
上級、と名のつくクラスとはいえ、海外で生まれ育った人とどの程度の会話ができるのか、といった不安がよぎります。
しかし実際クラスに入ってみると、驚くほど滑らかな日本語の挨拶に迎えられました。
簡単な紹介を終えると、すぐさま留学生と向かい合う形になり、授業が始まりました。
私たちがそこで見たのは、 一年で学んだとは思えないほどの語学力と、それを裏付けるような、学ぶことに対しての積極性でした。
「この学校で学んだ日本語をどのように活かしたいか」といった質問一つ一つに、留学生は丁寧な日本語で答えてくれます。
発音に母語の癖はあるものの、文法に間違いはほとんどなく、意思疎通に不自由せず会話が成立しました。
留学生がこれほど流暢に日本語が話せるとは思わなかった、と率直な感想を述べたところ、「自分の日本語力はまだまだ足りない。
相手に自分を伝えられるよう、もっと勉強がしたい」との返答が来たことが、大変印象的でした。
上級クラスでの授業を終え、続いて中級クラスヘと移動しました。こちらのクラスでは、半年ほど学校で学んだ留学生と交流をしました。
上級クラスと比べると、やはり語彙や文法があいまいで、なかなか会話が成り立たないことが多々ありました。
しかし、こちらのクラスも上級と同様、積極的に学ぼうという意思が、ひしひしと感じられました。
私たちが日常で外国人と接する機会は、ほとんど無いに等しいものです。しかし今回の訪間により、「日本と向き合う外国人」と接する機会を得ることが出来ました。
彼らの姿を見て、私たち日本人は、どれほど自国のことを知っているのだろうか、という疑間が生まれました。
国際問題にも積極的に取り組もうとする彼らには、学ぶところが沢山あります。言葉という壁を取り払うことで生まれるもの。
それを教えてくれた、大きな体験だったように思います。 (希)