葉84号

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教員採用試験 合格体験記

今年度の教員採用試験で、日本文学科では三名の先輩方が現役合格されました。 今回はその先輩方にお話を伺いました。

Q.自己紹介をお願いします。
 阿部こころ(以下[阿])です。埼玉県の中学校に採用となりました。
 藤村環(以下‥[藤])です。川崎市の中学校に採用となりました。
 山田博美(以下‥[山])です。千葉県の中学校に採用となりました。

Q.合格した今の気持ちを。
 阿:まだ信じられない気持ちが大きいです。新たな土地で、自分がどれくらいのことができるか、どんな子どもたちと会えるのかという期待も大きいです。
 これまで支えてくれた人たちに、感謝の気持ちでいっぱいです。
 藤:まだ教師をやるという実感は全くないです。でも一年と半年間、必死にやってきたことが無駄にはならなかったという充実感があります。
 山:発表の時は、本当に私が合格したのか信じられませんでした。今は千葉県の期待に応えられるよう頑張りたいと思っています。


Q.教師になろうと思ったきっかけは何ですか。
 阿:私が中学生だった時の先生の影響が大きいです。女の先生で、良いこと悪いことをはっきり言ってくれる人でした。
 また自分は、人の輪というか、集まりがすごく好きで。自然と、教師になりたいなぁと思うようになりましたね。
 藤:私も中学校の時の先生です。進学する高校について、すごく親身になって考えてくれた先生との出会いが大きかったですね。
 山:一番のきっかけは、小学生の時の担任の先生です。でも小学校から高校まで、多くの素敵な先生方と出会い、強く教員を志望するようになりました。


Q.教員になるまでの過程で、辛かったこと、苦しかったことはありますか。
 阿:周りの人の期待や応援に応えられるくらい自分は本当に頑張っているのかなとか、不安になることが多かったです。
 自分のペースをしっかり保ちつつ、周りと付き合っていくという心の保ち方が大変でした。
 藤:友だちと遊ぶ時間が減ったのは寂しかったです。また、周りに頑張れって言われると嬉しいけど、だめだったらどうしようと思ったし、そこまで出来ていませんからという苛立ちもありました。
 でも逆に頑張れって言われないと、どうして言ってくれないのと思ったりもしましたね。
 山:私は教師に向いていないのではないかと思って、何度も挫折しそうになりました。でもその度に友人や先生方にアドバイスをもらいました。


Q.逆にやっていて良かったと思うことはありますか。
 阿:同じ方向を見ている人と話していると、こういうところは真似しよう、自分ももっとできる、という感じで、気持ちに拍車がかかりました。
 できない自分も見せていいんだと思えたり、自分の性格も良いほうに変わった気がします。
 藤:私は、予定を手帳に全部書き込んでいたんです。何日は何時から何して…とか、見える形で自分に自分のことを信じさせるというか。
 やってよかったなと思います。
 山:些細なことで疑間を抱いたら、授業でお世話になった先生方や、教員志望の友人たちに相談しました。
 プラスαの情報や元気をもらえたりして、採用試験中は特に助けられました。
 藤:友だちが良かったと思います。みんな一人ひとりで動いていたけど、集まったときには愚痴ばかりじゃなくて、一緒に笑いあえるというか。
 阿:そうだね。何の話をしているか覚えていないような話のほうが多かったような気がします。
 藤:こうやって考えると、あまり苦しいことはなかったのかもしれません。


Q.教育実習はどうでしたか。
 阿:子どもは素直ですね。良い意味でも悪い意味でも。
 藤:教育実習生だから、子どもたちは、先生とはまた違う存在として受け入れてくれました。

Q.どんな教師になりたいですか。
 阿:生徒に、「あぁ、あの先生にこんなこと言われたなぁ」と思い出してもらえるような、何か一つでも生徒の心に残るようなことができる教師になれればと思います。
 生徒に真摯に向き合い、心から語りかけられるよう努力したいです。
 藤:子どもを「子どもたち」でひとまとまりにするのではなくて、みんなを一人の存在として認める。それをちゃんと伝えられる教師になりたいです。自分らしい教育をしたいです。
 山:「明るく元気にハキハキと」が私のモットーなので、生徒とも元気に接していきたいと考えています。


Q.最後に後輩たちヘメッセージをお願いします。
 阿:まずは自分を大切にしてほしいです。回り道をしてもいろんなことに挑戦することで、どういうことをやればいいのかなということに気づけると思うんです。
 できること、やれることをたくさんやっていってほしいと思います。
 藤:周りと同じにこだわるのではなくて、自分に一番あったやり方を。それが一番自分の力になると思います。もう一つは自分からどんどん行動していくこと。
 支えてくれる人はたくさんいます。自分を大切にして頑張ってください。
 山:教職一本で進んでいくと、他の就職活動ができないと思います。私も同輩と比べて何もしていないと不安を感じました。
 しかし教員採用試験の様々な勉強、体験こそ就活につながると思います。自信を持って打ち込んで、素敵な先生を目指してください。


今回のインタビューでは、とても貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。それらすべてを記事に書けないことが残念です。
教師という夢を掴んだ二人の先輩方、本当におめでとうございます。 最後になりましたが、お忙しい中インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。 (中)

 

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