1.設置科目の説明

◆女性と人権(1年次必修)

「女性と人権」は、1年次必修で、本学のすべての学部、学科の学生が学べるMGUスタンダート科目です。
◇主な内容:ジェンダーの視点から「女性と人権」を考える。人権にかかわる基礎知識をふまえて「人間という存在」から女性がいかに排除されてきたかを歴史的に考察する。また、女性と人権の現代的課題をとりあげ、セクシュアル・ハラスメント、DV、メディアのなかの暴力、リプロダクティブ・ライツなど、労働、家族、教育、メディアといった場における人権侵害の実情を把握する。法的システムのみならず、広く社会・文化・教育環境に注目し、性差別の是正に向けた国内外の取り組みや、シティズンシップとジェンダーの関わりを学ぶ。(授業概要 シラバスより)

授業計画
1、ガイダンス:学ぶこと、生きること、歩みを照らす光を求めて
2、「女性と人権」への招待:女性学・ジェンダーの視点から
3、人権とはだれの権利か:女性の権利の歴史と展開
4、女性差別撤廃条約 女性の地位向上に向けた世界の動き
5、雇用の場での性差別
6、セクシュアル・ハラスメントとはなにか
7、女性の権利、子どもの権利:家族から始まるジェンダーデモクラシー
8、子どもの産育と女性の健康:リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
9、女性に対する暴力:ドメスティック・バイオレンス
10、若者のライフスタイルと生き方の自己決定:親密圏とデートDV
11、メディアに潜む性差別:プリンセス・ストーリーをジェンダーで読み解く
12、越境する人々の人権とシティズンシップ
13、国際人権法とジェンダー:国際的人権の保障システムの現状と課題
14、女性の人権保障とジェンダー平等社会の構築に向けて 
15、まとめ

◆ジェンダー論(3~4年次 選択科目)

2016年度の3~4年生であれば誰でも受講できる科目です。 ◇主な内容:女性学、フェミニズム理論の知識をふまえて、現代社会のジェンダー問題を多面的に検討する。とくに子育て、教育、メディア、労働にかかわるテーマを取り上げ、日常生活のさまざまな場におけるジェンダー問題を認識し、性差別是正の取り組みを学ぶ。また、グローバルな視点から世界の女性の多様な状況を把握するとともに、震災後の女性の活動にも注目し、地域と女性のエンパワーメントに向けた課題を探究する。(授業概要シラバスより)

授業計画
1.ガイダンス ジェンダーとはなにか
2.女性学・ジェンダーで読み解く現代社会
3.フェミニズム理論の見取り図
4.性別役割分業とジェンダー秩序
5.生活構造と女性、男性のライフコース
6.少子化時代の育児戦略とジェンダー
7.学校教育に潜む性差別
8.メディアにおける女性表象:ファッションと消費文化
9.女性と労働:男女雇用機会均等法
10.女性と労働:アンペイドワーク、貧困の女性化
11.地域社会と女性:震災後の日本社会をみつめて
12.世界の女性のエンパワーメント:開発と女性を中心に
13.女性の権利、子どもの権利再考
14.まとめ、グローバル化時代のジェンダーの課題
15.総括、試験
◆ライフワーク論(2017年度から 3年次 学芸学部必修科目)
◆キャリア形成論(2018年度から 4年次 選択科目)


2.一緒に学びましょう-担当教員からのメッセ-ジ

未来を生きる女性たちへ―女子大学のキャリア形成―
天童 睦子(宮城学院女子大学教授)(2016年度キャリア支援部長)
(プロフィールはこちら

キャリアとは一般に、仕事や職業経歴を意味するとされています。元々は、車の通ったあとにできる轍(わだち)を語源として、そこから「前に進むこと」「発展すること」の意味が生まれてきたともいいます。いいかえれば、人が歩む人生の道において、学び、働き、生きるトータルなプロセスを通して、キャリア形成がなされていくといえましょう。

宮城学院女子大学では長年、学生の就職支援への地道な取り組みがなされてきました。2016年には新学部設置、学芸学部の再編成という大きな改革とともに、現代を生きる女性のキャリア教育、就職支援を担うべく、キャリア支援センターが設置され、これまでの学生サポート、就職支援を生かした、キャリア支援体制が始動します。就業的キャリア支援とともに、女性の生き方をトータルに考える女子大学ならではのキャリア教育の充実も、一層進むことが期待されています。

女子大学でのキャリア形成にはさまざまな利点がありますが、その一つは、女性自らがリーダーシップをとる機会に多く恵まれることです。女子大ならではの少人数の丁寧な教育も、教員と学生の相互作用的学習環境のもとに、一人ひとりの隠れた力を伸ばす可能性を拓きます。とりわけ、本学の学生たちの他者を思いやる心の豊かさ、協調性の高さとリーダーシップの取り合わせは、まさに21世紀の市民社会、企業が求める人物像とも合致するといえましょう。

2015年度はこれまでの就職活動とは日程が変わり、活動解禁のずれに戸惑った学生たちは少なくなかったようです。とはいえ、学生たちの大半は3年次からのキャリアガイダンスやセミナーに積極的に参加するなどして、情報収集にあたりました。その成果は、他大学と比べても遜色のない、高い就職率となって示されています。そして、活動の記録(『希望のかけ橋―就職活動体験の記録』宮城学院女子大学 キャリア支援センター)に記された言葉からは、就職活動を通して、自分の向き合い、悩んだり、ときには落ち込んだりしながらも、粘り強く自らの歩む道をしっかりと見極めていく姿が読み取れます。

本学の卒業生は、総合職、販売職、事務職、教員、保育士、公務員、設計士、客室乗務員など、目指す職種はさまざまですが、学生たちの就職体験記に記されたことばはどれも生き生きとしています。
「自分を信じて」「挑戦をあきらめない」と希望の職種ひとすじに活動する様子を綴ったものや、「就職活動は、情報戦」と、本学の「学生サポートセンターの資料やアドバイス」を有効活用した事例、具体的な面接のコツ、さらには、「就職活動に悩みはつきもの」「回り道を恐れない」「こまったときは友達や就職・キャリア担当の職員の方に相談にのってもらいました」といった、後輩を励ますメッセージが語られています。「大切なのは人に頼ること」「ありのままの自分で、納得のいく活動を」といった先輩からの応援の声も数多くあります。

就職活動に向けて、夢の実現に向けて、歩みだす皆さん、女性の教育において先駆的役割を果たしてきた本学での学びを生かして、あなた自身のキャリア・就職の道を探し、見つけ、勇気をもって新しい扉をたたいてください。
あなたの前にキャリアの扉は開かれているのです。
(本文は、天童睦子2016「夢をかたちに」『希望のかけ橋―就職活動体験の記録―2015年版』より一部改変して掲載)

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