沖の石(興の井)


現在の多賀城市八幡には、民家と道路とに囲まれて、造景庭園のごとく残されている小池がある。これが沖の石(興の井)として残されている歌枕である。

古今集では小野小町によって「おきのゐて 身をやくよりも かなしきは みやこ島べの 別れなりけり」と詠まれ、百人一首には二条院讃岐により歌われた「わが袖は しほひにみえぬ 沖の石 人こそしらね かわくまぞなき」がある。今となっては浜から離れた内陸に位置しているため、さながら波が持ち忘れた海の落とし物のようでもある。

また、この沖の石からは、30秒も歩かない距離に、末の松山がそびえ立っている。

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