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自分より長い時を生きる貴重な資料を自らの手で守り 遥か未来へつなぐ誇り

仙台市博物館 学芸員 小田嶋 なつみさん

――学芸員になるには大学院への進学が第一歩と聞いています。

大学院に進むと就職が2年遅れるので勇気が必要でした。修了後は事務の仕事をしながら勉強を続け、その後岩手県や山形県の博物館に勤務しました。宮城学院女子大学の先生や副手の方から「あきらめずに頑張ったね」とよく言われますが、「学芸員になる」と宣言した手前、後に引けなくなったのが本音です(笑)。

――仙台市博物館での仕事について教えてください。

企画展のプロデュース・運営、資料の管理、マスコミと協力してのPR、関連イベントの実施など、業務は幅広く、ありとあらゆることを担当しています。特に思い出深いのは、今春開催した特別展「いつだって猫展」の企画・運営の中核に携わったこと。関係各所との綿密な連携が必要ですが、苦労して作り上げる楽しさは格別です。

――学芸員を志す中で印象的だったエピソードはありますか?

大学院1年生の夏休みに東日本大震災で被害を受けた民間の美術館へ通い、資料を点検・梱包して避難させる作業を手伝いました。その際にお世話になった学芸員の方が「震災で建物が使えなくなっても、資料を守ることができれば、数十年後、数百年後に、その資料を活かす人が現れるかもしれない。自分より長く生きる資料を、自分の代でなくすわけにはいかない」と話すのを聞いて感銘を受けました。その施設の学芸員の方々は、震災発生時、すぐに収蔵庫や展示室に向かったそうです。私にとって、災害などで簡単に失われてしまう資料を守る学芸員という職業に誇りを持つ出来事でした。

――仕事をしていて良かったことは?

多くの方がガラスケース越しにしか見られない貴重な資料を、自分の手にとって管理できること。文化財や資料の実物に触れることができるのは責任も伴いますが、やはり感動しますし、一番のやりがいを感じます。忙しくハードな毎日ですが辞めたいと思ったことは一度もなく、この仕事を選んで本当に良かったと思っています。

――学芸員として今後手掛けたいことは?

企画はたくさん考えていますが、今は秘密です(笑)。学芸員として現場にしっかり携われる期間は短いので、企画を実現させるために準備を進めています。希望の職業に就くのがゴールではなくスタート。そこから自分がやりたいことが次々わいてくるので、毎日が楽しくて仕方がないです。

――後輩に伝えたいことは?

学生時代は全力で勉強して、全力で遊んで欲しいですね。知識はもちろん大切ですが、学芸員の素質として一番大事なのは人間性の豊かさ。いろいろな経験や挑戦をしてどう感じて何を得たか、一つひとつ確認していくことで、“自分で考える力”がつくと思います。どんな仕事でも、周りに流されず自分の考えや視点を持つことは大切です。

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