森のレストランから

森のレストランから

森のレストランから|vol.03

「きょうのきんにく,なんですか?」

1-15

ある日の午前中のことです。
木登りの得意なそら組のAちゃんが、木にすいすいと登っていました。
その姿を見たBくんが「なんで,あんなに上までいけるのかな?」と、うらやましそうなにつぶやきました。
すると、Cくんが「筋トレすればいいんじゃない?」と応えました。
そしてそこにいた10数名が一斉に,森の中のスペースを使って,腕立てや木の切れ端をダンベルに見立てて,思い思いにトレーニングを始めました。

その様子をそばでみていたH先生が「筋肉はね,運動だけではいけないんだよ。食べ物も大事なんだよ。」と、Bくんたちに言いました。

その後の昼食時間のこと

Bくんが「どれが,きんにくになるのかな?」とお皿をのぞきながら,真剣に考えています。
すると、周りにいた子どもたちから、「ご飯じゃない?」「ちがうよ,にんじんじゃない?」の声。

まわりの子どもたちの声に、Bくんはますますわからなくなり、栄養士のS先生に聞きに行くことにしました。そして、S先生から「今日の筋肉が強くなるおかずは,アジの胡麻焼きだよ」と教えてもらうと,アジを黙々と食べながら,力こぶをつくっては,「せんせい,きんにくつよくなった?」と、いかにもうれしそうな表情です。

子どもたちが、森での遊びを通して,食べることの重要性にも目を向けたエピソードです。

その後、食事の時の合言葉は,「せんせい,きょうのきんにくはなんですか?」となり、木登りの達人を目指して,子どもたちの修行の日々が続いています。

2017.07.14