葉86号

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星山先生 受賞のお知らせ
 この度、本学科教授でいらっしゃる星山健先生が、第五回全国大学国語国文学会賞を受賞されました。

ここで、星山先生のご紹介をしたいと思います。星山先生は中古文学を専門とされており、本学科内では日本古典文学演習T・Uなどの授業を担当なさっています。

授業では、『源氏物語』を扱われており、多くの学生が受講しています。星山先生の授業を受け、『源氏物語』の魅力に気付いた学生も多いのではないでしょうか。


 今回受賞の対象となったのは、二〇〇八年に刊行されたご著書『王朝物語史論―引用の『源氏物語』―』(笠間書院)です。

「序 本書の概要と研究方法」によれば、本書は『源氏物語』および、その絶大なる影響下に成立した平安後期・末期物語を主たる考察対象とし、その史的展開を捉えようとされたものです。

特に、@『源氏物語』における先行物語引用、A『源氏物語』における『源氏物語』引用、B後期・末期物語における『源氏物語』といった、『源氏物語』をめぐる引用の諸相に関する論が本書の中心をなすため、サブタイトルとして「引用の『源氏物語』」と付けられたとのことです。

先生は本書を通して王朝物語史の構築を目指され、引用を物語作者による創作上の技法と捉え、その意図の探求を試みられています。

この本を読んだとき、きっと各々が新たな王朝物語史の見方を考えさせられるのではないでしょうか。


 なお、今回の受賞は、日本文学科の古典文学担当教員としては、犬飼公之先生(上代文学会賞 一九八六)・深澤昌夫先生(歌舞伎学会奨励賞 一九九八)に続くものです。


 星山先生、受賞おめでとうございます。皆さんもこの機会に先生のご本に触れてみて下さい。(宇)


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