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 > 第4章 - トラブル・事故・事件編

4. 消費者トラブル


(1) インターネット・携帯電話トラブル

私たちの身の回りにはインターネットが急速に普及し,私たちの生活と切り離せないものとなっています。一方で,出会い系サイトやネットショッピング,オークションなどに関連するトラブルやネット上のいじめ,犯罪などが急増しています。こうしたインターネットトラブルは,相手の匿名性が高く,解決が難しいと思われがちですが,正しい知識と情報を得ることで,トラブルの回避や対処は可能です。
ここでは,幾つかのインターネットトラブルを取り上げていますが,日々新たなトラブルが発生している現状ですので,ぜひ次のURLを参照してみてください。保護者や教職員も知っておくべき事例が掲載されています。

総務省→インターネットトラブル事例集


<架空請求・不当請求>
架空請求・不当請求が届いたら

●あわてない
 個人情報の漏洩などにより,身に覚えのない請求書が届くことがあります。
 携帯電話に送られてきたメールのアドレスをクリックしたら,
 いきなり「登録ありがとうございます。3日以内に3万円をお振込みください」などというメッセージがでることが
 あります(ワンクリック詐欺)。
 しかし,確認画面なしに1回のクリックで「登録」「入会」の契約が成立したとはいえず,支払う必要はありません。
 また,未成年なら,契約には原則的に親の同意が必要です。
 ※民法改正により、2022年4月1日から「18歳以上が成年」となっています。

●絶対に,こちらから相手に連絡しない
 法律事務所など,裁判所以外のところから封書で支払いを求める「訴状」が送られてきても,心当たりがなければ,
 連絡したり,支払いに応じたりしては絶対にいけません。一度支払うと何度でも通知がきます。  
 ごくまれに,訴訟を提起してくる場合があります。この場合は放置しておくと不利益をこうむることがあります。
 裁判所に確認のうえ,学生課か宮城県や仙台市の消費生活センターに相談しましょう。

<ネットショッピング,ネットオークション>


インターネットの画面上で商品写真や紹介文を見ることができ,在宅のまま買い物ができる便利さのため,まったく警戒心を持たずに利用している人もい るでしょう。 しかし,代金を払ったのに商品が届かない,注文したものと違うものが届いたなどのトラブルが絶えません。 会社に問い合わせたら,すでにサイトが消えていたということもあります。 このようなトラブルに巻き込まれないためにも,インターネットで買い物をする際には十分な注意が必要です。

●もしトラブルにあったら

・ネットショッピングやオークションの運営会社に被害状況を連絡してください。
・取引相手の電話番号や住所などが虚偽のもので,連絡が取れない場合は,最寄りの警察署か交番に被害を届け出てください。
  そして,担任の教師または学生課へも届け出てください。

<フィッシング詐欺に注意!>

フィッシング詐欺は,実在の銀行や登録サイト(企業)を装って「ポイントの有効期限がきた,景品が当たった,設定が変わった」などの電子メールを送信し,電子メール内のリンクから本物のように作られた偽のWebサイトに誘導 します。そのページの入力ホームからログインIDやパスワード,銀行口座,暗証番号やクレジット番号などを入力させるなどして個人情報を不正に入手し,本人になりすまして勝手にお金を引き出したり,クレジットカードを利用して買い物をしたりする悪質な詐欺行為です。



<フィッシング詐欺にあわないために>
●不審なメールには返信しない
  • 少しでも不審に思ったメールには返信しないこと。もちろん,メール内のリンクからWebサイトにアクセスしてはいけません。
  • 銀行やクレジットカード会社などからのメールで,口座番号や暗証番号,あるいはクレジット番号などをあらためて聞いてくることはありません。
●登録サイト(企業)に直接アクセス
  • 登録サイト(企業)と思われるところから不審な内容のメールが届いたときは,メール内のリンクからではなく,直接登録サイト(企業)にアクセスして調べるか,問い合わせてみるのが安全な確認方法です。
●しっかりとセキュリティ対策を
  • フィッシング防止機能が付いたセキュリティソフトを導入し,常に最新の定義ファイルにしておきましょう。
  • メールソフトやWebプラウザのフィッシングサイト判別機能を活用しましょう。
●もし被害にあったら
  • フィッシング詐欺にあったことに気づいたら,入力した個人情報(IDやパスワード,銀行口座, 暗証番号やクレジット番号など)に関係する銀行やクレジットカード会社にすぐに連絡し,口座やカードの利用を止めてもらいましょう。
  • パスワードを入力してしまったら,すぐに変更してください。
  • もし被害にあった場合は,最寄りの警察署か交番に被害を届け出てください。そして,担任の教師または学生課へも届け出てください。

フィッシング詐欺についは,次のURLから,さまざまな事例や対処方法などの情報が入手できます。
フィッシング対策協議会



<オンラインゲーム>

オンラインゲームは,パソコンやスマートフォン,ゲーム専用機などから,インターネットを経由してプレイできるコンピュータゲームのひとつです。誰でもどこでも気軽に楽しむことができるゲームですが,さまざまなトラブルが急増しており,思いもよらない被害にあうことがあります。ここでは,未成年者とその保護者を主な対象に対応策をまとめています。


― トラブルの事例 ―

事例1 中学生に高額の請求
パソコンでオンラインゲームをしていた子どもから,「1回だけでいいからゲームのアイ テムを買って」と頼まれ,クレジットカード番号を入力して千円分だけ購入してやった。ところが,後日,クレジットカード会社から届いたのは,身に覚えのない20万円の請求だった。子どもは,ゲームに夢中になってアイテムを買い続けていたが,このゲームサイトでは,あらためてクレジット番号を入力しなくても,そのサイトのIDとパスワードがあればダウンロードできる仕組みだった。

事例2 出会い系サイトに誘導
スマートフォンで無料オンラインゲームのチャットを利用していたら,やりとりの相手か ら「ゲームの方法を教えてやる」と持ちかけられ,いつのまにかゲームサイトとは違う出 会い系サイトに移動した。相手がゲームに詳しいので,メールのやり取りを出会い系サイ トで続けていたら,高額なポイント料金を請求された。



<トラブルにあわないために>
●利用方法や課金の仕組みを理解する
  • オンラインゲームの利用方法についてのルールを家庭内で話し合い,年齢に見合った利用方法を定めましょう。
  • 無料で遊べるゲームのはずが,ゲームの進行とともにアイテムが有料になるなど,料金が発生する場合があります。課金の仕組みを事前によく理解しておきましょう。
●親の管理をしっかりと
  • クレジットカード番号などは子どもに教えないように。もし入力する場合は,一度の入力で登録されてしまうのかどうか,必ず確認してください。
  • 自分のIDなどは利用させず,必ず子どもの年齢で登録したIDなどを使用させてください。
●掲示板やチヤットに注意
  • オンラインゲーム中の掲示板やチャットを使って出会い系サイトに誘導されたり,アカウントが盗まれてアイテムを持ち出されたりする被害が発生しています。やり取りの中で,気軽に自分の個人情報やプライバシー情報を教えないよう注意しましょう。
●パスワードを管理する
  • パスワードは,誕生日などから推測できるものではなく,意味のない英数字を羅列しましょう。
  • 定期的にパスワードを変更するようにしましょう。
  • 問い合わせなどで簡単にパスワードを教えないようにしましょう。
●もしトラブルにあったら

もし判断に困ったら,保護者や担任の教師,宮城県や仙台市の消費生活センターに相談しましょう。
もし不正アクセス被害にあった場合,サイバー犯罪情報の窓口は,宮城県警察サイバー犯罪対策課
cyber@mail.police.pref.miyagi.jpにメールで問い合わせるか,最寄りの警察署に相談してください。
そして,担任の教師または学生課へも届け出てください。


<出会い系サイト, サクラサイト>


異性や同性の友だちを探したり求めたりする「出会い系サイト」。サイト内は,個人の匿名性が高く,犯罪の温床にもなっています。出会い系サイトを発端とする事件がたびたび起こっていることは,ニュースなどで皆さんもご存知だと思います。 メールで知り合い,交際が始まったという話は最近では珍しいことではありません。しかし,一度も会ったことがなくても,メールのやりとりをしているうちに親しくなったように感じ,実際に会う段階では相手に警戒心を持たなくなってしまう人が多いのです。

「サクラサイト」は,サイト業者に雇われたサクラが,異性,芸能人,社長などのキャラクターになりすまし,「異性と出会いたい」「有名人に会いたい」などのユーザーの気持ちを利用して有料サイトに誘導し,メール交換などで支払いを続けさせるサイトです。

「出会い系サイト」は「サクラサイト」の代表的なものですが,サイト登録や支払いが簡単なので引っかかりやすく,また,その手口が巧妙でサイト業者が短期間で頻繁に変わることから,実態がつかみにくくトラブルが多発している状況にあります。

出会い系サイトとは

異性交際の出会いの場として提供されているインターネットサイトの総称で,次の1から4の すべてを満たすサイトをいう。



(1)異性交際を希望する者のために運営されている。
  • 異性交際以外の目的を掲げたサイトでも,実態として異性の出会いの場に利用されていて,管理者がそれを容認している,あるいは放置していると認められる場合も含まれる。
(2)異性交際希望者の希望情報やプロフィールなどをインターネット上に公開し,閲覧可能にしている。
  • 会員制であっても,誰もが会員になれるようなサイトを含む。
(3)異性交際希望者どうしが1対1で連絡を取り合えるようになっている。
  • 相互のメッセージ交換機能はもとより,管理者が会員のメールアドレスを取り次いでくれるようなサービスも含む。
(4)有償・無償を問わず,反復継続して運営されている。
  • 個人の趣味で作られた無料のものもすべて含む。
サクラサイトの手口と対処方法

■きっかけは,
・メールアドレスに直接届く広告メール
・SNSサイトへのメッセージの書き込み
・アルバイトに関するサイトを探して,サイト登録後に届くメール
・懸賞サイト,占いサイトなどに登録した後に届くメール

■対処方法
(1)迷惑メールなどに絶対返信しない。特に「有名人に会える」「お金が当たった」など,甘い言葉で誘う相手とメール交換しない。
(2)サイトへの登録が無料であったり,一定期間の利用が無料であっても,途中から有料になるサイトが多い。「おかしい」と感じたら,有料になる時点ではっきりと退会の手続きを。
(3)サイトに詳細な個人情報を求められても安易に出さない。

― 中高校生のみなさん ―
出会い系サイトから身を守る3つのNO!

●見ない!
・携帯やパソコンに届いた「出会い系サイト」への勧誘メールは見ない。
・知らないアドレスから来たメールには返信しない。

●書き込まない!
・「匿名だから安心」と軽い気持ちが落とし穴。「出会い系サイト」には絶対書き込まない。

●絶対会わない!  
・「出会い系サイト」に限らず,チャットやプロフなどインターネット上で知り合った相手には,絶対に会わない。



― 保護者の方 ―

出会い系サイト規正法第4条(保護者の責務)
児童の保護者は,フィルタリングサービスやフィルタリングソフトを利用するなどして 児童がインターネット異性紹介事業(出会い系サイト)を利用することを防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

●パソコンの場合

契約しているプロバイダのフィルタリングサービスや市販のソフトがあります。フィルタリング については,一般財団法人インターネット協会https://www.iajapan.org/rating/に詳しい情報が掲載されています。

●携帯電話の場合

携帯電話会社では,出会い系サイトなどへのアクセス制限機能等のサービスを提供しています。 詳しい情報は,契約している携帯電話会社に問い合わせてください。



― 学生のみなさん ―

出会い系サイトの背後には大きな危険が潜んでいる可能性があることを,くれぐれも自覚しておいてください。



<情報提供・相談窓口>
  • もしトラブルにあったら,保護者,担任の教師や学生課,宮城県や仙台市の消費生活センターに相談しましょう。
  • もし被害にあった場合,サイバー犯罪情報の窓口は,宮城県警察サイバー犯罪対策課にメールで問い合わせるか,最寄りの警察署に相談してください。そして,担任の教師または学生課へも届け出てください。
<プロフでのトラブル>

プロフによるネット上の「いじめ」や,プロフをきっかけとした性犯罪や暴力事件などが増えています。
プロフとは,プロフィールサイトの略で,自己紹介や自分をアピールできるサイトのことです。携帯電話から簡単に作ったり見たりすることができ,無料で利用することができます。携帯電話から気軽に利用することができるため,多くの子どもたちが作成・利用しており,中には会員数が600万人を超えるサイトもあります。プロフには,「ゲストブック」「足跡」などと呼ばれるメッセージ機能がついており,お互いのやり取りの中でトラブルも発生しています。

― プロフの問題点 ―
  • 個人情報を書き込むことにより,迷惑メールなどの受信機会が増えてしまいます。
  • 自分のプロフの閲覧者を増やしたり,「アクセスランキング」の上位入賞を狙うため, 詳しい個人情報や写真の公開,過激な書き込みなどがエスカレートし,トラブルに発展する場合があります。
  • 「ゲストブック」などに,見知らぬ不特定多数の人から連絡や誘いが書き込まれたりします。
  • 友達どうしの利用であっても,書き込み内容をめぐり友達間のトラブルが起きることがあります。
●トラブルにあわないために
  • まず,プロフサイトの提供サービスや仕組みの安全性を確認しましょう。
  • 個人が特定できるような情報は掲載しないようにしましょう。
  • 知らない人や会ったことのない人に,名前,電話番号や住所などを教えないようにしましょう。
  • 誹謗(ひぼう)中傷などの被害にあった場合には,相手に関わらないようにブロックするか,サイトから退会しましょう。
  • トラブルにあった場合や,悪質な誹謗(ひぼう)中傷,脅しなどの被害にあった場合の相談先などは,「出会い系サイト」と同じです。

(2) カード決済のトラブル

ネットショッピングのトラブルでとくに多いのは,カードで支払いをしたことにともなう個人情報の漏えいです。


カード決済のトラブルを避けるために
  • クレジットカード情報などを入力する画面では,通信が暗号化(SSL)に対応しているかどうかを確認しましょう。URLが「https://~」となっているのがSSL対応ページです。
  • オンラインでの商取引には,特定商取引法に基づく表示を行うことが求められています。この表記がないショップの利用は避けましょう。
  • 単なるメールでの求めに応じて,クレジット番号や個人情報を送信するのは絶対避けてください。
クレジットカードを上手に利用するには…
  • 使いすぎに注意 → カード利用は「借金」と同じです
  • 手数料や金利の違いを確かめて → 分割払いやキャッシングの利息は意外と高い
  • カードや名義は他人に貸さない → 貸したカードや名義貸しの責任は,あなた自身が負うことになる
  • 紛失や盗難に注意 → 紛失・盗難にあったら,警察とカード会社にすぐ届け出ること
  • 必要以上にカードは作らない
  • 暗証番号の取り扱いに注意(誕生日や電話番号などは避ける)

(3) 多重債務

多重債務とは,クレジット会社,銀行やサラ金などからの金銭の借り入れなどにより債務が発生し,それが本人の返済能力を超え,その返済のためにさらに借金して債務が重なることをいいます。特にクレジットカードは,ショッピングやキャッシングなど,その使い勝手の良さから学生の利用が増えています。ただし,「お金がないからカードで買い物,キャッシング」は禁物です。多重債務は,クレジットカードを上手に使えないことから始まりやすいのです。

多重債務者にならないために
  • クレジットなどは,月々の返済ができる範囲で利用するようにしましょう
  • 返済のためにほかの金融機関から借金しないようにしましょう。
  • ヤミ金融には絶対に手を出さないでください。
  • 返済できなくなる前に,早めに保護者や友人,学生課に相談しましょう。
  • 万一返済できなくなったら,早めに保護者や学生課,宮城県や仙台市の消費生活センター,法テラスなどに相談しましょう。

法テラス・サポートダイヤル:0570-078374
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